eビジネス用プラットフォームを提供するアイルランドのIONAが米国時間3月25日に,Webサービス向けのセキュリティ・サービス技術「IONA Security Servicesフレームワーク」を発表した。同日サンフランシスコで開幕したJava開発者会議「JavaOne Developer Conference」で明らかにしたもの。

 IONA社は同会議で,同社のWebサービス構築プラットフォーム「Orbix E2A」の入門レベル版である「Orbix E2A XMLBus Edition v5.1」を使ったデモを行っている。

 IONA Security Servicesフレームワークは,リクエスト(メッセージ)要求者の認証,それに基づいたアクセス制御を可能にする。エンド・ツー・エンドの守秘性やメッセージ保全性が保てるという。Webサービスの認証はLDAP v.3ベースのディレクトリ・サービスを使って行える。

 このセキュリティ・フレームワークはOrbix E2A製品系列に米Netegrity,米Verisign,米Entrust,米Microsoftなどのセキュリティ製品を容易に実装できるようにする。これは「Adaptive Runtime Technology」と呼ぶモジュラー・アーキテクチャによって実現する。

 IONA社は,「Webサービスを導入するにあたってはセキュリティ機能の組み込みが大きな障壁となる」と説明する。「安全なWebサービスの最適な構築方法とは,すでに世界中の企業で導入されているセキュリティ・インフラを活用すること」(同社)

 IONA社では,このフレームワークを2002年中にもOrbix E2Aプラットフォームのすべての製品で利用できるようにするという計画を立てている。また今後のリリースでは,「シングル・サインオンといったさまざまなセキュリティ機能を追加していく」(同社)という。

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