「3~5年のうち内に,人材リソース関連のアプリケーション市場において,企業の支出の中心はリクルート向けツールから離れ,労働力分析,eラーニングに移行する」。米META Group社が,米国時間3月19日に人材管理の技術トレンドと従業員のサイクルに関する調査結果を発表した。同調査は,450名以上のITとHR(人材)管理の幹部社員に対して行われた。

 調査結果によれば,過去数間で急成長したリクルーティング・アプリケーションに対する支出が弱まり,労働力分析,eラーニング,マネージャのセルフサービス・アプリケーションが成長している。これらのアプリケーションは,さまざまな労働力にかかわる基準を追跡し,従業員がより効率的に業務を行えるようにトレーニングを行う。

 過去5年間人材管理アプリケーションの開発は,低い失業率と重要な技術を持つ求職者が少なかったことから,労働力の獲得のアプリケーションに集中していた。人材雇用ツールの市場は,新しいeリクルーティングと全般的な人材雇用技術がけん引力となっていた。しかし,雇用市場が変化したため,購入が予定されている人材管理アプリケーションは,既存の従業員に対する管理とトレーニング向けアプリケーションに移行している。

 その他にも,従業員のセルフサービス・アプリケーションの使用も高成長のリストに上っている。このようなアプリケーションにより従業員は,福利厚生とHR事項に関する質問に対して迅速に答えを導くことができる。また従業員が,企業における自分の地位とビジネスにおける影響を理解するために使用される。

 また,労働力管理アプリケーションの実装の障害は,その価値と投資回収率が明確にできない点だという。特に中小規模の企業は,現在の労働力管理の状況改善を強く望んでいるものの,新しいシステム実装コストが大きな障害になっている。調査結果によれば,実際の障害として,28%が強力な労働力管理が企業に与える好影響について,上層部の経営者がまだ理解を示していない点を挙げている。

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