米Adobe Systemsが米国時間3月19日に,「Palm OS」搭載機でPDFファイルを閲覧するためのソフトウエア「Acrobat Reader for Palm OS, version 2.0」のパブリック・ベータ版をリリースしたことを明らかにした。

 バージョン2.0ではフランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語版を用意する。また,パスワードによる書類保護といった新たなセキュリティ機能も追加した。

 「初回バージョンのAcrobat Reader for Palm OSは企業と消費者の両方に好評で,ダウンロード件数は100万件以上におよんだ。最新バージョンでは,さらに幅広いユーザーがもっと自由に画像満載のPDFコンテンツを利用できるよう機能強化を図っている」(Adobe社Acrobat Reader製品マネジメント部門ディレクタのRick Bess氏)

 Acrobat Reader for Palm OS, version 2.0を使って,ユーザーはカラーおよびモノクロのPDFファイルを閲覧,ナビゲーション,検索できる。製品マニュアルやリファレンス・ガイドのほか,画像を取り入れたコンテンツなどを,ハンドヘルド機のスクリーンの幅に合わせて表示する。PDFファイル作成ソフト「Acrobat 5.0」,プロ向けレイアウト・ソフトウエア「Adobe InDesign 2.0」,DTPソフトウエア「Adobe PageMaker 7.0」で作成したPDFファイルは,自動的にページ構造情報のタグが付けられているため,「最良の表示結果が得られる」(Adobe社)という。

 PDFファイルをPalm OS搭載機で閲覧するためには,まずAcrobat Reader for Palm OS, version 2.0のデスクトップ・パソコン用アプリケーションに,既存のPDF書類をドラッグ・アンド・ドロップで重ねる。すると同期化が行われ,Palm OS搭載機に転送される。Palm OS搭載機でAcrobat Reader for Palm OS, version 2.0を立ち上げれば,所望のPDFファイルが閲覧できる。

 Acrobat Reader for Palm OS, version 2.0のパブリック・ベータ版は英語のみに対応。Adpbe社のWWWサイトから無料でダウンロードできる。サポートするOSはWindows 98,Windows NT 4.0,Windows ME,Windows 2000(「Palm Desktop」のバージョン3.0.1以降が必要)のほか,Windows XP,Mac OS 9.X,Mac OS X.1(Classic環境)。ハンドヘルド機はバージョン3.5以降のPalm OSを搭載し,315K以上の空きメモリが必要。Acrobat Reader for Palm OS, version 2.0の製品版は2002年6月末までに利用可能になる。

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