通信市場の調査会社の米TeleChoiceが米国時間3月18日に,「大手キャリアは,メッシュ型の光アーキテクチャで波長グルーミング機能を持つコア・スイッチを利用すれば,資本支出と運用コストを大幅に削減できる」とする調査結果を発表した。

 TeleChoice社は,SONET/SDHリング型アーキテクチャや光スイッチングによるメッシュ型アーキテクチャを比較した詳細な財務分析を行った。同社によると,全国規模のネットワークを有する大手キャリアの場合,光スイッチを用いたメッシュ型アーキテクチャの方がコスト的に優れているという。

 たとえば,米Telliumの光スイッチ「Aurora」を用いたメッシュ型ネットワークは,ネットワーク・コアにSTS-1対応光スイッチを使用した場合と比べ,資本支出および運用コストを36%削減できる。また,次世代SONET/SDHリング型ネットワークと比べた場合は,その数値は67%に達する。さらに,光スイッチを用いたネットワークは投資の回収期間が2年未満で,ROI(投資回収率)が348%。一方,その他のネットワークであれば,投資回収期間は約3年で,ROIは19%だという。

 「全国的なネットワークを持つ大手キャリアを想定して,4つの異なるアーキテクチャを比較した。その結果,2.5Gbpsの波長グルーミング機能を持つスイッチを利用したメッシュ型光ネットワークが,最も大きなコスト削減を実現できることがわかった。また拡張性が必要な分散した大規模ネットワークの場合,STS-48対応のコア・グルーミングを利用すれば,STS-1対応光スイッチだけを用いたネットワークと比べてさらに24~36%のコスト削減が可能になる」(TeleChoice社コンサルティング部門副社長のBeth Gage氏)

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