米Hewlett-Packard(HP)は米国時間3月14日に,「同社と米Compaq Computerの合併に関して業界の大手企業から賛成の声があがっている」(HP社)として“支持派”企業のコメントを明らかにした。

 HP社によると,米AOL Time Warner,米DreamWorks SKG,米Siebel Systems,オランダのRoyal Philips Electronics,米PeopleSoftなどが合併案を支持しているという。

 「『パック(アイスホッケーのボール)がある場所ではなく,パックがこれから向かう場所を目指す』。これこそ両社の合併案のすべてを指している。過去ではなく将来における重要な地位を確保するためだ」(AOL Time Warner社役員会会長のSteve Case氏)

 「DreamWorks社の立場からすると,両社の合併によって我が社にもたらされる可能性は非常に価値があるものだ」(DreamWorks社Jeffrey Katzenberg氏)

 また米ASCII Groupは,HP社とCompaq社の合併案を支持する意向を同日明らかにした。ASCII Group社会長兼CEOのAlan Weinberger氏は「すばらしい事業判断だ。合併後のHP社は,中小企業市場で他社に負けないVAR(Value Added Resellers)勢力を獲得することになる」と述べた。

 Weinberger氏によると,企業向けコンピュータ・サービス市場は2001年の4250億ドルから,2005年には6500億ドル規模に拡大するという。「企業向けコンピュータ・サービスには,保守,インストール,ヘルプデスク・サポートトレーニング・コンサルタントといったサービスが含まれ,これらの大半をVARが担っている。HP社とCompaq社の合併は,VARとの関係による恩恵を受けるだろう」(Weinberger氏)

 一方,両社の合併に対して強い反対の姿勢を崩さないWalter B. Hewlett氏は,「Compaq社との合併に反対するHP社株主が増えている」などとする内容のコメントを同日発表した。

 「HP社株主はこの合併案が株主のためではないことを理解している。我々はHP社に250億ドルもの“ミス”を許すつもりはない」(Hewlett氏)

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[www.hp.comに掲載の発表資料]
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