米InterTrust Technologiesが米国時間3月13日に,米Microsoftとの特許係争をさらに拡大することを明らかにした。Microsoft社の「Windows File Protection(WFP)」技術が同社の特許を侵害しているというもの。WFPは「Windows XP」と「同2000」に組み込まれているシステム・ファイル保護機能である。

 InterTrust社が問題としているのは米国特許番号5,892,900(900特許)の技術。1996年8月30日に申請し,1999年4月6日に成立した。220のクレームから成る。900特許の一部に,ソフトウエア・モジュールと主要ファイルを保護するための技術と手法が記述されている。

 システム・ファイルが書き換えられたり,削除されたり,または破損すると,システムの性能は予測不可能な状態になる。プログラムは不規則な動きをするか,あるいは全く動作しなくなる。Windowsの早期版では,OS以外のソフトウエア(アプリケーションやドライバ)をインストールすると,DLLなどのシステム・ファイルが書き換えられるといった問題が発生した。

 Microsoft社は,1)WFPを使ってこの問題を解決し,2)WFPをWindows 2000と同XPに組み込んだ。InterTrust社はこの二つの行為が同社の特許を侵害していると主張する。「Microsoft社の新たなOSは,InterTrust社が開発した技術を大いに利用し,同技術に著しく依存している」(InterTrust社)

 InterTrust社が最初に特許侵害でMicrosoft社を提訴したのは2001年4月。Microsoft社の「Windows Media Player」などが,InterTrust社の保有する特許を侵害しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。6月26日に,申請を行っていたデジタル・コンテンツ転送時の著作権保護技術に関する米国特許が成立したため,同社はただちにこれを訴訟対象に加えた。7月19日には,Microsoft社の電子ブック「Microsoft eBook」がInterTrust社のデジタル情報管理技術に関する特許を侵害しているとして,訴訟対象に追加していた。さらに2002年2月7日に,Microsoft社が同社のドライバ認証に関する特許技術を不正に使用しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。

 なお,一連の特許侵害訴訟でInterTrust社が問題としている対象特許は全部で8件である。

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