米Sun Microsystems,米BeVocal,米Nuanceが,標準技術に準拠した音声処理向けアーキテクチャ「Sun VoiceTone Platform」を提供する戦略的提携を結んだ。3社が米国時間3月13日に明らかにしたもの。モバイルおよび有線通信事業者に対し,音声ポータル,音声で操作する音声メール,音声によるダイヤル操作などのサービスの迅速な展開を支援する。

 「このソリューションにより,モバイル通信事業者はクラス最高品質の音声サービスの構築/維持作業を簡素化できる」(3社)

 Sun VoiceTone Platformの主な内容は次の通り。

・VoiceXMLベースのアプリケーションに対応
 Sun社のサーバー「Netra T1 AC200」「Netra t 1405」「Sun Fire V880」など「UltraSPARC」プロセサ・ベースのシステム上で動作する。Sun社の「iPlanet Web Proxy Server」に対応しており,2002年後半には「iPlanet Application Server version 6.5」にも対応する予定。BeVocal社のソフトウエア・プラットフォーム「Foundation」,voiceXMLインタプリタ,マルチモーダル出力に対応した音声アプリケーション・スイートにより,拡張性を備える。Nuance社の音声認識/音声認証/音声合成ソフトウエアに対応する。

・既存のネットワーク・インフラへの容易な統合
 音声処理の負荷分散,音声アプリケーションの実行,通話制御,運用/管理,課金/プロビジョニングなどの機能を耐障害性のある分散コンポーネントで実現することで,PSTNとIPのいずれにも統合できる。

・標準技術互換のプラットフォーム・アーキテクチャ
 Voice XML 2.0やSession Initiation Protocol(SIP)のほか,Speech Synthesis Markup Language(SSML),Speech Recognition Grammar(SRG),Real-Time Streaming Protocol(RTSP)や将来のJava APIなどをベースにした社内/社外製のアプリケーションを利用して,音声サービスを容易に構築できる。

 「この戦略的提携により,モバイルおよび有線通信事業者に対し,ただちに導入可能で,増加する加入者の関心に対応できる音声プラットフォーム・ソリューションを提供する」(Sun社マーケット・デベロップメント担当上級ディレクタのShahram Moradpour氏)

 ちなみに米Kelsey Groupによると,音声ポータルや音声で操作するメッセージング/自動案内などの音声認識サービス市場の規模は,全世界で2005年までに410億ドルに達する。また,音声認識サービスで使用される音声技術の市場は,163億ドル近くになるという。

 なおSun VoiceTone Platformの出荷は同日から行う。

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