ドイツのSAP AGが現地時間3月13日に,オープン・スタンダードに基づいたインフラストラクチャである「mySAP」を通してWebサービスの統合を容易にするために「.NET」や「WebSphere」などをネイティブにサポートすることを発表した。これは,ドイツのハノーバーで開催中の「CeBIT 2002」において明らかにしたもの。

 プラットフォーム特有の環境にWebサービスを容易に統合したい,という要求に応えるために,同社はサードパーティのインフラ技術の統合を進める。「.NET」とサードパーティ製のJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)アプリケーション・サーバーへの接続性とポータルな開発キットを提供するとともに,「.NET」上のユーザー・インタフェース設計と実行のためにプラットフォームに依存しない「Web Dynpro」技術に向けたランタイムを提供する予定。

 「顧客は,経営目的に適うさまざまな技術とアプリケーションを統合させる必要がある。同製品は,ネイティブで標準的なWebサービス・インフラを提供するため即座に統合可能であるとともに,所有コストを抑えながら協調的なビジネスが実現可能となる」(同社のCEOのHenning Kagermann氏)

 「mySAP」技術は,異種システムが混在するIT環境において技術的相互操作性を実現してコラボレーションを可能にする。同技術は,すべてのmySAP.comソリューションの土台と位置付けられ,異なるベンダーが提供するアプリケーションやWebサービスを共通のWWWインフラに統合することで,企業内企業間を問わず,さまざまなビジネスプロセス間のコラボレーションを可能にする。また,既存のシステムをすべて入れ替えることなく,所有コストの軽減,技術インフラの柔軟性の向上,過去の投資の有効活用が可能となる。

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