「欧州の企業はWWWサイトで得られるデータを有効活用していない」などとする調査結果を,米NCRの一部門であるTeradataがドイツで現地時間3月12日に明らかにした。

 調査は2002年2月に,米国のオンライン調査会社BuzzBackに依頼して行ったもの。

 英国,ドイツ,フランスでは,WWWサイトを通じて情報収集を行っている企業が89%に達した。しかしオンラインで得た情報は,ビジネスの意思決定の際に利用するデータ・ウエアハウスに統合されていない。また欧州企業の72%が,販売,マーケティング,財務に関する意思決定にデータベースやデータ・ウエアハウジングを利用しているという。

 「多くの企業は当初,オンライン事業を社内の他の業務と切り離していたため,WWWで収集したデータが孤立した状態になっている。現在は,いわゆる“クリック&モルタル”式のビジネス・モデルが注目を浴びており,オンラインで得たデータは,ビジネス全体を見渡すうえで重要な役割を果たすべきだ。WWWデータを活かしきれない企業は,不利な立場に追い込まれる」(Teradata社e-businessマーケティング部門担当副社長のMike DeBrosse氏)

 オンラインで得たデータを,財務,販売,顧客サービス,マーケティングなどの従来のデータと組み合わせることで,市場動向の迅速な分析,マーケティング・キャンペーンの効果の追跡,コスト効率の高い顧客サービスの提供などが可能になり,売り上げに貢献する製品やサービスを把握できる。さらに,オンライン・データの分析を通じて,消費者が関心を持っている製品やサービスを突きとめることができるという。

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