グラフィックスLSIメーカーの米3Dlabsは米国時間3月11日に,シンガポールのCreative Technologyが同社を買収することで最終合意に達したと発表した。買収金額は約1億7000万ドルで,株式と現金で支払われる。

 3Dlabs社の技術とCreative社の製造,金融,流通リソースを組み合わせ,3Dlabs社がリリースを予定している製品の開発能力を拡充する。これにより,Creative社はデスクトップ向けグラフィックス市場への復帰を図る。

 両社は1994年以来協力関係にある。1995年には,「業界初」(3Dlabs社)の3次元(3D)ゲーム・ボードを共同でリリースした。

 3Dlabs社は「Wildcat」や「Oxygen」製品ファミリなどの供給,サポート,開発を今後も継続する。組み込み用途のチップやIP製品の供給とサポートのほか,Khronos GroupやWeb3D ConsortiumでのOpenGL 2.0,OpenML,組み込み向けOpenGLへの取り組みも引き続き行うという。

 Creative社会長兼CEOのSim Wong Hoo氏は,「3Dlabs社のリリース予定の製品と技術のロードマップを検討し,グラフィック市場で大きな競争力を生み出すと判断した。高性能グラフィックスLSI市場が急成長する見通しもあり,3Dlabs社買収は我が社に飛躍的な可能性をもたらす」と述べた。

 また,3Dlabs社会長兼CEOのOsman Kent氏は今回の合意に関して,「絶好のタイミングだ。3Dlabs社は高性能グラフィックス製品ファミリのリリースを間近に控えている。我が社は技術開発に多くのリソースをつぎ込むあいだ,経済的に苦しい時期を過ごした。Creative社がもたらすリソースと可能性により,ハイエンドの企業向けグラフィックス市場に参入できる」と説明した。

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