米Microsoftは「Class Server」(旧称「Encarta Class Server」)の次世代版を米国時間3月7日,発表した。K-12(小,中,高の12年間)の授業と学習に向けたWeb対応の教育用ソフトウエアである。2002年5月にリリースする予定である。

 米国では,2002年1月に教育改革法「No Child Left Behind Act of 2001」が可決された。この法案は初等・中等教育法「Elementary and Secondary Education Act(ESEA)」を編成したもので,K-12教育における連邦政府および州政府の役割を定義している。恵まれない境遇の生徒やマイノリティの生徒などの学習能力の格差を埋めることを目的としている。学校はNo Child Left Behind Act of 2001で定められた責務や査定基準に従うよう義務づけられている。

 次世代版Class Serverの新機能の一つは,検索可能な学習リソース・データベースが利用できること。国内/国外の出版社による5000以上のレッスン,テスト,宿題を用意する。教師はこれらをダウンロードし,編集して生徒に出題できる。また,データベースから選び出したレッスンが,連邦政府および州政府のカリキュラム規格に適合しているかどうか,オンラインで確認することが可能。

 その他の主な特徴は以下の通り。

・教師はClass Serverのツールを使って,教材を整理するほか,生徒の成績をデジタルで記録したり,各生徒に応じて宿題を出すことができる。

・生徒は宿題をデジタルで仕上げたり,勉強のスケジュールを立てることが可能。より目的に合ったカリキュラムを通じて学習に励むことができる。

・親は子供の宿題や成績表にアクセスし,子供の学習を把握することができる。

 ちなみにテキサス州HillsboroのHillsboro Independent School Districtが,すでに次世代版Class Serverの導入を検討しているという。

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