米SGIはスコットランドのグラスゴーで開催中の「SGI Visualization Summit」で協業ビジュアライゼーション技術と「Visual Area Networking」構想を披露することを英国時間3月7日,明らかにした。科学や学術,石油,ガスといった分野用である。

 デモンストレーションの主な内容は,外科医が手術に使用することを想定した遠隔ビジュアライゼーション,地震解析向けリソース共有技術,仮想現実(VR)ベースの時空探求技術など。

 Visual Area Networkingのデモは同社CTOのEng Lim Goh氏が行う。Visual Area Networkingは同社が2002年1月に発表した構想で,いかなるコンピュータ装置からでも,標準的なネットワークを介して先進のビジュアライゼーションにアクセスできるようにするというもの。科学者やエンジニアはデータの保存と処理を一元化できる。ユーザーはクライアント端末の種類を問わず,内部および外部から既存のネットワークを通じてそのデータにアクセスし,操作することが可能。

 「目は脳に最も速くデータを転送する入力システムだ。もし,未加工のデータがもっと速く視覚的画像に処理できれば,どこからでもどんな機器からでもすぐに利用でき,共通の迅速なアクセスを介して我々の理解力と洞察力が高まる」と,SGI副社長のSteve Coggins氏は説明する。

 「診断用医療画像の検証,新薬/化学製品の発見,油田/ガス田の発見,気象および環境調査のほか,大学および国立研究所での指導,科学センターや博物館での教育に携わる人々に,SGIは完全なツール・セットと専門サービスを提供する」(同氏)

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