「米国では携帯電話などの無線デバイスの普及がクリティカル・マスに達しつつあり,消費者による無線対応オンライン金融サービスの利用が増加し始める。無線を使ってオンライン金融サービスを定期的に利用する消費者数は,2001年の50万人から2005年には700万人以上に急増する見通しだ」。米Gartnerの一部門であるGartnerG2が米国時間3月4日,米国におけるオンライン金融サービスの無線利用に関する調査結果を発表した。

 無線を使って金融サービスを利用する米国消費者は,2002年に120万人,2003年には260万人に達するとみる。消費者は,請求書の受け取りおよび支払い,キャッシュレス購入,身元確認が必要なクレジットやサービスの申込みを日常的に無線で行い,現金をATMや窓口で受け取るようになる。

 「米国消費者の無線金融サービスへの需要は,他の多数の国ほど成熟していない。西欧や日本の消費者は,インターネット接続のためにパソコンに依存する傾向がもともとなかったため,無線デバイスを使ったインターネット情報の利用が急速に普及した。米国でも無線デバイスがクリティカル・マスに達しつつあるため,無線を利用した金融サービスが徐々に広まるだろう」(GartnerG2,リサーチ・アナリストのBrad Adrian氏)

 現在,金融サービス・プロバイダで無線によるサービス提供を行っているのは,大手証券会社数社と,中~大規模の金融機関の約8%だけである。2003年にはサービスの拡充がすすみ,無線サービスの普及に拍車がかかる。2004年には,消費者が求めるサービスと金融サービス・プロバイダが提供するサービスの機能性がほぼ一致する見通しである。

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