米Hewlett-Packard(HP)が米国時間3月2日に,「Financial Times」誌とそのオンライン・サイト「FT.COM」に掲載された「Walter Hewlett氏が現CEOのCarly Fiorinaに代わり,元HP社CEOのLew Platt氏を採用しようとしている」との記事に対するコメントを発表した。

 HP社は「役員としての責任を無視した乱暴であつかましい行動だ」と述べ,またFT.COMサイトに掲載された「HP社は元CEOの採用を検討している」とのヘッドラインが「明らかに誤報である」(HP社)と主張した。

 Walter Hewlett氏はHP社の共同創業者の一人である故William Hewlett氏の長男で,HP社の役員も務める人物である。

 「Walter Hewlett氏は明らかに株主を間違った方向に導き,混乱させようとしている。他の役員会メンバーとの協議を設けることなく同氏がとった一方的な行動は,HP社の気質と品質を汚すものだ。同氏以外の重役は,全員がCarly Fiorina氏を支持しており,Carly Fiorina氏の退任を求めるWalter Hewlett氏の行動を無遠慮で無責任な根拠のない行動とみている」(HP社)

 またHP社は,「Walter Hewlett氏は企業運営というものを依然として無視しており,少なくとも,今回の行為はHP社役員会メンバーとしてふさわしくない」と述べた。

 なお,HP社と米Compaq Computerの合併についてはすでに欧州委員会(EC:European Commission)が正式に承認している。両社の株主投票日程も決定しており,HP社は3月19日太平洋標準時間午前8時,Compaq社の3月20日中部標準時午後2時に臨時株主会議を開催する。

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