「ダイヤルアップから高速WWW接続への移行は,思ったほど急速には進んでいない」,などとする調査結果を,米CENTRISが米国時間2月28日に発表した。WWW接続を行っている家庭の80%は,いまだにダイヤルアップ接続である。ケーブル・モデム接続を利用している家庭は,DSLを利用している家庭と比べて2倍多いという。

 調査は,2万4577世帯を対象にして2001年10月にアンケートを実施したもの。過去9カ月間でインターネットを利用する家庭は12%増加した。ダイヤルアップ接続を利用する家庭は1%増え,高速接続を利用する家庭は68%増えた。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・広帯域接続を利用する家庭が毎月支払う利用料(平均37ドル)は,ダイヤルアップ接続を利用する家庭(平均19ドル)の約2倍である。年収が10万ドルを超える世帯数は,広帯域接続を利用する家庭の方がダイヤルアップ接続の家庭を2倍近く上まわる。

・広帯域接続の主な手段は,高速ケーブル・モデムやデジタル・ケーブルである。直接衛星放送(DBS:Direct Broadcasting Satellite)の普及率はそれほど高くない。

・広帯域接続を利用する家庭の方が,1世帯当たりの人数が多い。

・インターネット接続を行っている家庭でDVD-ROMの利用が急増している。ダイヤルアップ接続を利用する家庭では23%,広帯域接続を利用する家庭では39%増加した。

・無料ISP(トライアルやスポンサー広告付きを含む)を利用する家庭は30%減少した。

 「ヘビー・ユーザーやハイテクに精通した家庭は,すでに広帯域接続を利用している。しかし,広帯域接続への移行を促進するためには,速度だけではなくコンテンツやサービスなどの付加価値を提供する必要がある。価格や顧客サービスも重要な役割を担う」(CENTRIS社)

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