オランダRoyal Philips Electronics傘下のPhilips Digital Networksとイタリア・フランス合弁のSTMicroelectronicsが,セットトップ・ボックス(STB)とデジタル・テレビにMultimedia Home Platform(MHP)技術を適用する共同開発で提携関係に入った。両社が現地時間2月26日に発表したもの。これにより,MHP互換のデジタル・テレビの製造を望む家電製造業社は,開発と製造時間を格段に短縮できるようになる,としている。

 提携により,両社はセットトップ・ボックスと統合型デジタル・テレビに向け,Philips社のMultimedia Home Platform(DVB-MHP)ミドルウエア技術とSTマイクロ社のシングル・チップのデジタル・セットトップ・ボックスのデコーダ・プラットフォームをベースにしたソリューションの共同開発とマーケティングを行う。

 同ソリューションのために両社から提供される技術は,Philips MHP 1.0.x Software PlatformとSTマイクロの OMEGAファミリのシングル・チップ搭載デジタル・セットトップ・ボックスのデコーダ・プラットフォーム。共同でSTマイクロ社のセットトップ・ボックスのデコーダ・デバイス上で動作するPhilips MHP 1.0.x Software Platform技術を提供し,世界のDVB-MHP互換のセットトップ・ボックスとテレビで使用するためのリファレンス・システム「MHP Reference Systems」を構築する。

 DVB-MHPは,欧州とアジア地域においてインタラクティブ・デジタル・テレビの新しいオープンな標準となっている。またソフトウエアとコンテンツを開発する標準化されたプラットフォームになっている。MHPは米国においてOpenCable Application Platform(OCAP)のベースを形成している。Philips Digital Networks社の一部門であるPhilips Softworksが,完全にインタラクティブ・デジタル・テレビの機能を提供するMHP 1.0.1準拠のソフトウエア「stack」の開発と実装に成功している。

 両社は,現在MHP Reference Systemsの高機能性を示すためにSTマイクロのSTAPI (ST Application Programming Interface)ドライバ・スイートを使ったSTi5512とSTi5514シングル・チップ・デコーダのモデルに注力している。同モデルは,2002年の初旬に出荷が予定されており,製品品質のMHP Reference Systemは,2002年の中旬に出荷を予定している。またSTのST40GX1とSTi5514チップセットを使ったハイエンド・ソリューションの提供も検討している。

 製品の付加価値を高めるためにPhilipsは,MHPミドルウエアとアプリケーション技術をサービス,ネットワーク・プロバイダ,コンテンツ所有者,アプリケーション開発者,家電製造業社にライセンスしている。またSTマイクロのSTAPI librariesは,OMEGAファミリのセットトップ・ボックス・デコーダ向けのドライバ群を提供している。

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