米Intelが米国時間2月26日に,サンフランシスコで開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」でマイクロアーキテクチャ「XScale」をベースにしたネットワーク・プロセサ・ファミリを発表した。超高速スイッチ/ルーターなどに向けた「IXP2800」,マルチサービス・スイッチ向けの「IXP2400」,DSLや無線ネットワーキング装置向けの「IXP425」である。「従来の製品と比べて最大16倍高速」(Intel社)という。

 Intel社はIXP2800,同2400,同425を高機能通信機器向けアーキテクチャ「Intel Internet Exchange Architecture(IXA)」の一部と位置づける。セキュリティ,暗号化,トラフィック管理といった多機能の通信サービスを,最大10Gbpsの一貫した速度で提供できるようにする。

 IXP2800および同2400はプログラム可能なチップで,対応するデータ転送速度はそれぞれ10Gbps(OC-192)と2.5Gbps(OC-48)。プロセサで同時に複数の処理を実行する「Hyper Task Chaining」と呼ぶ技術を利用する。IXP2800は0.13μmの製造技術を用いたIntel社で最初の通信LSIとなる。

 IXP425は,DSL,インターネット・ケーブル,HDLC,IEEE 802.11x対応無線,Ethernetといった各種通信媒体の音声,ビデオ,データ・アプリケーションに対応する。

 また,Intel社は統合I/Oプロセサ「IOP321」も同日発表した。従来の同社製品と比べて2倍以上の速いという。動作周波数は400MHzまたは600MHz。高性能ネットワーク・ストレージに向ける。消費電力を抑えており,ヒート・シンクが不要。PCI-Xバスに対応する。

 Intel社によると,Intel社の開発者ネットワーク「Internet Exchange Architecture Developer Network」の参加企業を含む30社以上が,新たなプロセサに対応した製品を市場に投入する予定だという。Intel社は5億ドルの投資基金「Communications Fund」をこれら最適化作業の支援に当てる。

 IXP2800の価格は485ドル~695ドル,同2400は230ドル~360ドルで動作速度により異なる。2002年第3四半期にサンプル出荷を開始する。2002年末に量産体制に入る。IXP425の価格は25ドル~45ドルで動作速度により異なる。2002年第2四半期にサンプル出荷を開始し,第3四半期に量産体制に入る。IOP321はOEM向けに出荷を開始している。価格は400MHz版が54ドル,600MHz版が74ドル。なお,すべて1万個ロット時の単価である。

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