「LCDスクリーンの主要部品であるマザーガラスが世界的な品薄状態に陥っている。そのため,コンピュータ・モニター,フラット・パネル・ディスプレイ,ノート・パソコン,PDA,携帯電話機といった製品の価格が上昇する可能性がある」,などとする調査結果を調査会社の米Provizioが米国時間2月22日に発表した。

 「製品価格の上昇とマザーガラスの供給不足は2003年まで長引くとみる。この状況は,携帯電話機やPDAの製造および販売に関わっている企業にとって深刻だ」(Provizio社CEOのTim Rhodes氏)。

 世界的なマザーガラスの供給不足は,LCDディスプレイを搭載した各種製品と大型スクリーンへの需要急増が要因である。2000年1月の需要面積は60万平方メートルだったが,2000年12月時点には81万平方メートルに増加した。月平均10%増加した計算になる。

 需要拡大のほか,「業界における計画性の乏しさも責めを負うべき要因だ」との声があがっている。業界全体にわたるマザーガラス製造予算の大幅な削減が供給不足を招いたという指摘である。

 今後影響を受ける企業としては,米ViewSonic,韓国のSamsung,シャープ,米Reptron Electronics,米Jaco Electronics,オランダのPhillips,米Corning,NEC-Mitsubishi Electronic Display社,東芝,松下電器産業などが考えられるという。

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