米On2 Technologiesが米国時間2月21日に,ビデオ圧縮技術「VP5」のプレビュー版をリリースした。米RealNetworksの「RealPlayer」で利用可能なVP5のダウンロード版とストリーミング版は,On2 Technologies社のWWWサイトから入手できる。

 「VP5のエンコーディング性能は,30kbpsから数Mbpsのどのデータ・レートにおいても,ほかのコーデックより優れている」(On2 Technologies社社長兼CEOのDouglas A. McIntyre氏)

 On2 Technologies社の現行ビデオ圧縮技術「VP4」では,フル解像度の動画を毎秒60フレームで処理可能だという。「VP5は,VP4に比べ性能が最大50%向上している」(同社)。さらにVP5では,リアルタイム・エンコーディングとインターレース・データの処理が可能という。

 On2 Technologies社の創立者でCTOのDan Miller氏は,「VP5は,スポーツやアクション・シーンなど処理が難しい場面のリアルタイム圧縮に対応し,正真正銘の放送品質を提供可能な市場初のコーデックとなる」と説明する。

 同社が行ったテストによると,VP5と同等の画質を得るために,ほかのコーデックはVP5より50%高いデータ・レートを要したという。「VP5は,動画圧縮規格のH.26Lよりも画質,データ・レート面で優れ,デコード/エンコード処理が簡単にもかかわらず性能が高い。テレビの生放送など,インターレース・データの処理に最適」(同社)

 VP5は,インターネット,セットトップ・ボックス,DSPなどさまざまなプラットフォームで利用可能という。VP5の正式版は,2002年第2四半期なかごろのリリースを予定する。

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