米Sun Microsystemsはアプリケーション・サーバーの新版「iPlanet Application Server 6.5」を米国時間2月19日に発表した。Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)アプリケーションの作成に利用できる構築済みJavaコンポーネントを付属しており,「これまでの最大10倍開発を高速化できる」(Sun社)。

 iPlanet Application Serverは,Webサービスのフレームワーク「Sun Open Net Environment(Sun ONE)」の中核コンポーネントに相当し,アプリケーション・サービスの開発/展開/管理向けJ2EE互換プラットフォームである。「JavaServer Pages(JSP)」,サーブレット,EJBアーキテクチャ,分散トランザクションの管理を行う統合トランザクション・モニターを備えている。業務処理の自動化サービスと,企業向けアプリケーションとの接続性もあり,Java技術環境からSAPやそのほかのバックエンド・システムのデータと業務ロジックを取得できる。

 iPlanet Application Server 6.5を含む「iPlanet Application Framework」では,構築済みのJ2EEファンデーションを提供する。これにより,JSPとサーブレット・ベースのアプリケーション用のインフラを作成し直す必要がなくなるため,アプリケーションの作成と展開にかかる期間を削減できるという。「顧客のフィードバックと当社が行った内部テストによると,開発期間が半分近くになった」(Sun社)。同社がiPlanet Application Frameworkを使った内部テストを行ったところ,1万1000行以上のコードが必要だったeコマース・アプリケーションを,750行に短縮することができたという。

 同社が明らかにしたこのほかの特徴は以下の通り。

・「iPlanet Message Queue for Java」の統合:「Java Messaging Service(JMS)」仕様に対応し,「Message Driven Bean(MDB)」の開発が可能。

・サンプル・アプリケーション:WebサービスとiPlanet Application Server 6.5との相互運用を実現する際に,参考となるアプリケーション。

・開発者トレーニング:Webベースのトレーニングを付属。ユーザー・グループとWebベースのコミュニティも提供。

・Forte for Java IDEとの密な統合:自動的にiPlanet Application Serverに展開可能なアプリケーションの容易な開発が可能。

 iPlanet Application Serverの「Enterprise Edition 6.5」の価格は1CPU当り1万9995ドル。2002年3月18日頃に利用可能にする。iPlanet Application Server 6.5は,iPlanet Application Framework,「iPlanet Web Server」「iPlanet Directory Server」「Forte For Java 3.0」の評価ライセンスと共に出荷する。iPlanet Application Frameworkの単体は,Webサイトから無料でダウンロードできる。

 iPlanet Application Serverの詳細については,Webサイトに掲載している。

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