南米にあるスリナム共和国の国別トップレベル・ドメインである「.sr」の登録を専門で行っている米Dot (SR)社が「.sr」がついた電子メール・アドレスを個人向けに販売することを米国時間2月20日に発表した。シニア層をターゲットとする。

 「我々の調査によれば,最初はインターネットの利用に積極的ではなかったシニア層が友人や家族とのコミュニケーション手段として電子メールを使うようになっている。『.sr』の電子メールアドレスは,シニア・ユーザーにユニークで継続的に使える覚え易いWebアイデンティティを提供する」(Dot (SR)社の副社長のSteve Correia氏)

 電子メールのユーザーは,ほとんどISPから提供される電子メール・アドレスを利用している。そのためISPを乗り換えるときにその電子メール・アドレスの権利も失ってしまう。またAOLやMSNなど人気があるISPのユーザーは,自分の名前に一致する電子メール・アドレスはすでに別の人に使われていて,利用できない場合が多い。

 同社は,「.sr」で「john@smith.sr」のような電子メールを作ればこのような問題に対処でき,ISPを換えても継続して利用できるとともに覚え易い電子メールアドレスになると説明する。使用料は,1カ月につき2ドル。

 同社は,電子メール・アドレス用にすでに120万を越える苗字を確保している。「.sr」は,英語の「シニア」だけでなくスペイン語の「セニョーレス(Senores)」,イタリア語「シニョーリ(Signori)」,ポルトガル語の「セオーレス(Senhores)」にも適用できるという。

 また同社によれば,米国だけで7000万を越えるシニア層をターゲットとして,多くの企業や組織がブランドとトレードマークで「シニア・ドメイン」を保有する価値を認識しているという。Yahoo,BMW,Wells Fargo,Shell,Rolex,MyTravelなどが既に「.sr」ドメインを取得しており,シニア層をターゲットにしたWebサイト,または既存のサイトのリンクとして,直接この層の消費者に対してマーケティングを行う新しい手段だと認識しているという。

 同社は,今年中に4言語で「.sr」ドメイン名と電子メール・アドレス登録が50万件を越えると予測している。

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