市場調査の米Techtel社は「2001年第4四半期においてIT製品に対する需要が上昇する傾向がみられた」という最新の調査結果を発表した。これはIT製品の需要に関して,同社が1998年から四半期ごとに実施している調査の最新調査結果をまとめたもの。

 同調査の結果として提供された需要指数の遷移データによれば,2001年第4四半期の一般的な技術製品(PC,ノートブック,コピー機,プリンタ)の購入者と購入予定者は増加している。企業向け技術製品(サーバーとストレージ)は,同年第3四半期の購入レベルから回復を見せている。

 「今回の調査結果による朗報は,同期の需要が増加していることである。データによればIT市場全体が安定しており,また市場に大きな影響を与えるような出来事がなければ,この傾向は続くはずだ」(同社のMichael Kellyチェアマン)。

 同社が調査結果で示しているハードウエアに対する需要指数は,1998年の指数を100として表している。1999年から2000年初期にかけて急上昇して,2000年第2四半期は173.6に達している。同年第3四半期は並行を辿り,第4四半期は14%減の147.0に落ちた。そこから2002年第4四半期には162.4まで回復している。

 特に注目すべき結果は,企業向けIT製品の購入者と購入予定者数が,同時テロが発生する直前のレベルまでほぼ回復している点である。全般的な企業向け製品の販売は,2001年第3四半期から多少低下しているが,上昇する傾向にあるという。

 この他の主な結果と予測は次の通り。

・2001年第4四半期の結果をもとに,将来的にBEA社のアプリケーション・サーバー販売数の低下が予想される。これは,ブランドの知名度の低さ,悪評の増加,IBMとOracleなどの競合製品の存在などが理由として上げられる。同社からの購入者数も同年第2四半期と第3四半期から低下している。

・調査結果は,PC需要が高まる可能性を示している。これは,実現の有無が問題となっているHP-Compaqの合併にとってプラス材料となる可能性がある。Compaqは,エントリ・レベルのサーバーで優位にあるので,HPにとってはブランド名を強めることができる。

・ストレージ部門では,ブランド知名度でEMC社とBrocade社が高く評価されている。調査の累積結果をもとに,この先両社の成長が予測される。

◎関連記事
「米国IT支出は2002年に3.3%増加,2003年には11.5%増加」,米ヤンキーの調査
2002年の産業別IT支出,60%の企業・団体が増額予定,エネルギ分野で最も拡大
「ついに・・・,米企業のIT投資がここ10年で初めて減少」と米In-Stat
「欧州経済の減速で,世界IT支出は2001~2003年に最悪1500億ドル減少」と米IDC
発表資料へ