米連邦通信委員会(FCC)は超広帯域無線(UWB:Ultra Wide Band)の民生利用を認める最終規定を採択した。UWBを手がける米XtremeSpectrumが米国時間2月14日に明らかにしたもの。
UWBは,極めて小さな出力の信号を広い周波数帯域に分散させて転送する無線通信技術。Bluetooth,IEEE 802.11b,IEEE 802.11aなど従来の無線技術では,これに対して比較的狭い周波数帯域を使用している。
UWBでは,広い帯域に微弱な電波パルスを分散するので従来の無線技術よりも干渉の影響を小さくできる。そのため,屋内で有線通信並みの性能を出せるという。このような特性からビデオカメラ,ノート・パソコン,DVDプレーヤ,デジタル・カメラといった家電製品に適しているといわれる。
UWBはもともと軍事目的で開発された。FCCは,米商務省,米商務省電気通信情報局とともに過去3年半以上にわたってUWBの安全性と干渉の問題を検討していた。
XtremeSpectrum社のMartin Rofheart社長兼CEOは「FCCが民生利用を認めたことで,家電品メーカーは低コスト/低消費電力で高速データ通信が可能な技術を利用できる」と説明する。
XtremeSpectrum社では,同社が数カ月後にも業界初のUWB製品を発売できるとしている。「2003年末までには,多くのマルチメディア対応家電製品でUWBが利用されるようになるだろう」(同社)
◎関連記事
■次の無線LAN規格って,どれが本命?
■広がりをみせる無線LANの世界。PCから家電,テレマティックスの分野へも
■乱立する無線LAN規格の相互接続性を押さえる
■総務省が5GHz帯無線アクセスの屋外利用を再検討,4.9GHz帯開放を目指す
■エンド・ユーザー向け無線LANインフラ機器の市場,年平均成長率は36%,2005年には42億ドル規模へ
■2007年の企業向け無線通信システム市場は現在の2倍以上に
■Bluetooth,助走から離陸に向けた正念場の1年に
■無線LANで動画データを受信新規格IEEE802.11eは家庭ネットに向く
[発表資料へ]