米IBMが米国時間2月13日に,消費電力を低減させたサーバー「eServer p610」を発表した。「米Sun Microsystemsの同クラスのソリューション“280R”に比べ,消費電力を最大57%,発熱量を最大63%削減している」(IBM社)。UNIXおよびLinuxの両方に対応しており,「Sun社の製品よりも実質的に低価格」(同社)という。

 IBM社によると,p610の消費電力は450W,発熱量は毎時1536BTU。これに対し,280Rの消費電力は1070W,発熱量は毎時4232BTUだという。

 eServerでは,自己管理機能「Project eLiza」の技術を取り入れてTCO(Total Cost of Ownership)を低減している。これは,通常ハイエンドのIBM eServerシステム「pSeries 690(Regatta)」などやメインフレーム「zSeries」で使われる機能である。

 IBM社eServer pSeries担当ジェネラル・マネージャのVal Rahmani氏は,「当社の顧客は,これまで以上にTCO削減に関心を示している」と説明する。「当社の新型UNIXサーバーでは,省エネルギーおよびエンタプライズ・クラスの管理機能を高性能サーバーと組み合わせている。これにより,性能と可用性の理想的な組み合わせを提供できる」(同氏)

 eServerの主な特徴は次の通り。

・eビジネス,CRM,ERP,SFAなどデータ・センシティブなアプリケーションに適した1ウエイまたは2ウエイのシステム
・RAID 5に対応した最大291Gバイトの内蔵ストレージ機器。外付けのストレージ機器用の電源や冷却ファンを排すことで,消費電力と設置面積を削減
・銅配線のマイクロ・プロセサを採用
・PDAなどからサーバーを管理できる無線システム管理機能
・対応OSは,「AIX 4.3.3」「AIX 5L」,Linux

 「eServer p610 Model 6C1」と「同6E1」の価格は5995ドルから。システムの形態は,ラックマウント型とタワー型を用意する。2002年2月22日の販売開始を予定する。

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