米Sage Researchが米国時間2月13日に,インターネットで提供されるサービスに対する米国消費者の意識調査結果を発表した。それによると,高速/常時接続のブロードバンド経由で提供されるサービスに対し,米国の主婦の44%がエンターテインメント,42%が通信,39%が教育を有料でも利用すると答えた。

 なおこの調査は,米Cisco Systemsの依頼を受けてSage社が実施したもの。米国の主婦600人を対象に調査を行った。

 「これほど多くの主婦がサービスに対価を支払うと答えたことに驚いている」(Sage社社長のKathryn Korostoff氏)

 広く支持を集めたサービスの多くは,高度なマルチメディア・コンテンツを持つものであった。米国の主婦の15%が生涯学習に対価を支払うと答えているが,これにはレクチャなどのビデオ配信,教室や学習グループをシミュレートするアプリケーション共有などのサービスを含んでいる。

 Cisco社ワールドワイド・ガバメント・アフェア担当副社長のLaura Ipsen氏は,「このような新しいマルチメディア・アプリケーションを本格的にに活用するには,1.5Mbps以上のブロードバンド接続速度が必要」と述べている。「現在,米国家庭のブロードバンド接続速度は256Kbps程度。快適にサービスを利用するには,少なくともこの5倍の速度が必要だろう」(同氏)

 さらにSage社は,米国の主婦がサービスにいくら支払うかについても調べている。それによると,ユニファイド・メッセージング・サービスに対しては月10ドル,映画配信には月5ドル払うと答えた層が最も多かった。この結果から見積ると,市場全体では1年間で250億ドルの売上げが期待できるという。

 Sage社は,「サービスによっては,相当数の顧客を集めないと継続的なビジネス・モデルを構築できない」と指摘する。生涯学習などのサービスは,ブロードバンド接続でないと顧客を満足させられない。このため現時点では多くの顧客を集めるのが困難という。「米国で広くブロードバンド接続が利用可能になるまでは,この種のサービスの顧客数は限られたものになってしまう」(同社)

 なお調査の詳細については,Sage社のWWWサイトに掲載している。

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