米Sun Microsystemsが米国時間2月7日に,Linux OSのサポートにさらに注力することを明らかにし,Webアプリケーション・サーバー・ソフト「iPlanet」のLinux対応や,Linux搭載サーバー「Cobalt」の拡充など,さまざまな計画を発表した。

 今回発表した主な計画は以下の通り。

(1)Linux対応ソフトウエアをリリースする

 包括的Webサービス戦略「Sun ONE」向けソフトウエアを,すべてLinuxに対応させる。「iPlanet」のほか,「Java」や「Forte」製品,管理および配信ユーティリティ,ピア・ツー・ピア技術,サービス配信ツールなどが含まれる。

 また,「Solaris 8」の主要なプログラム・インタフェース,コマンド,ユーティリティ,ユーザー環境においてLinuxとの親和性を図る。また,UNIXサーバーの最上位機「Fire」ファミリでの,Linuxアプリケーションの動作を検証するツールキット「Linux Compatibility Assurance Toolkit(LinCAT)」をリリースする。なお,「Solaris 9」ではさらにLinuxとの親和性を高めるという。

(2)Linux搭載アプライアンス「Cobalt」ファミリの大幅拡充

 Cobaltファミリを,現在の8インチ(約20センチメートル)四方の「Qube」や,高さ1.75インチ(約4.5センチメートル)のラック型以外にもモデルを増やす計画である。さらに今年の半ばには,ローエンドのLinux搭載汎用サーバー・ファミリを発表する。

(3)「Solaris Operating Environment(OE)」の主要コンポーネントをLinuxコミュニティへ無償提供

 Solaris OEの主要コンポーネントをオープン・ソース化することにより,Linuxコミュニティへ積極的に参加する。今後もLinuコミュニティと協力し,「SPARC」搭載機のLinuxネイティブ対応を進めるとしている。組み込み市場では,米Lineoが,組み込みLinux「Embedix Linux」を「UltraSPARC」に対応させる予定である。

 このほかSun社は,Linuxデスクトップ環境「GNOME」のバージョン「2.0」が今年リリースされた時点で,GNOMEをSolaris向け推奨デスクトップにする計画や,ストレージ製品「StorEdge」ファミリをLinuxに対応させる計画なども明らかにした。

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