スウェーデンのC Technologies ABの子会社Anoto ABと米Microsoftは現地時間2月7日に,両社が戦略的提携を結んだと発表した。Anoto社の電子ペン技術をMicrosoft社の「.NET Platform」に対応させる。

 電子ペン技術は,ペン本体とドット・パターンを印刷した用紙を用いて,文字情報を得る仕組みである。まず,通常のペンを使う場合と同じように,用紙に文字を書く。そして,用紙に印刷されたドット・パターンと書かれた文字を装置に読み込ませることで,用紙上の文字情報を認識させることが可能となる。この技術を使えば,紙に書いた手書き文字の情報を,パソコンや携帯電話,PDAなどに転送できる。

 Anoto社は,自社の電子ペン技術をMicrosoft社の「Visual Studio .NET」や「.NET Framework」といった.NET Platformに対応させ,Webサービスで利用できるようにする。そのため,Visual Studio .NET開発者は,Anoto社の電子ペン技術を,開発中のアプリケーションに組み込むことができる。

 また,Anoto社はWindows XP対応の「電子ペン・コンピューティング・プラットフォーム」を開発する。単純なメモ書きから荷物の配送記録,カルテの作成など,消費者や企業向けの幅広い用途を想定したソリューションである。Windows XPでは,Universal Plug and Play(UPnP)機能を通じてAnoto社の電子ペンをサポートする。

 まずは企業向けのソリューションを開発する予定。Anoto社の電子ペンで記述した内容をパソコンに転送し,Microsoft社の「Office」といったアプリケーションでそのデータを扱えるようにする。

 Anoto社はアプリケーション開発キット「Application Development Kit(ADK)」の次期版の開発に,間もなくリリース予定のVisual Studio .NET開発ツールを利用する。一方,Microsoft社はMSDNなどのチャネルを通じてAnoto社のADKを提供する。

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