米InterTrust Technologiesが米国時間2月7日に,米Microsoftとの特許係争をさらに拡大したことを明らかにした。今回InterTrust社は,Microsoft社が同社のドライバ認証に関する特許技術を不正に使用しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。

 今回同社が提訴したのは,特許番号6,157,721(721特許)のドライバ認証関連技術。この技術が,Windows XPとその他のオペレーティング・システム製品で使われている「プラグ&プレイ」ドライバ認証プログラムに,不正に使用されているという。同社は,損害賠償の支払いと,Microsoft社による特許技術の不正使用の差し止めを求めている。

 InterTrust社は,Bill Gate氏と「プラグ&プレイ」ドライバ認証プログラムが掲げる「trustworthy computing(信頼に値するコンピューティング)」の原則は,同社が1996年に特許出願し,2000年に取得した721特許に記載されていると主張する。これは,信頼に値するコンピューティング環境を維持しながら,エンド・ユーザーが多数の異なるソースから実行ファイルとデータを受信,使用,共有するための問題を解決するための設計原則である。その例として,特許の中では,実行ソフトの属性の見極め,認証などの新しい技術と方法を明示している。

 InterTrust社は先週,今回の提訴とは別に米国特許局に告訴を提起している。内容はMicrosoft社が先ごろ取得した信頼されるオペレーティング・システム(trusted operating system)に関する2件の特許が,同社が3年以上前に取得した特許に干渉するというもの。この問題については,米国特許法のもとに,どちらがこの技術の発明者であるかが判断される。

 同社が最初に特許侵害でMicrosoft社を提訴したのは2001年4月。Microsoft社のWindows Media Playerなどが,InterTrust社の保有する特許を侵害しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。6月26日には,申請を行っていたデジタル・コンテンツ転送時の著作権保護技術に関する米国特許が成立したため,同社はただちにこれを訴訟対象に加えた。さらに7月19日には,Microsoft社の電子ブック「Microsoft eBook」がInterTrust社のデジタル情報管理技術に関する特許(861特許)を侵害しているとして,訴訟対象に追加していた。

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