米Microsoftは米国時間2月5日に,Javaで書かれたコードを「C#(シー・シャープ)」に自動変換するツール「Java Language Conversion Assistant(JLCA)」のベータ版をリリースした。同製品は,Java開発者を同社の新しい開発フレームワーク「.NET(ドット・ネット)」へ移行させるためのツール群「Java User Migration Path to Microsoft .NET(JUMP to .NET)」の一部。JLCAのリリースで,ツール群のすべてが出揃ったことになる。

 同製品には,ArtinSoft社の技術を採用している。言語構文やライブラリ・コールを移行して,既存のJavaコードを自動的にC#のコードに変換する。Java開発者は,.NETプラットフォーム上のWWWサービスが容易に構築できる。

 JLCAは,同社のWWWサイト「MSDN」からダウンロード可能である。また,「Visual Studio .NET」の次期バージョンにも収録される予定である。

 同社は既に,「JUMP to .NET」の一つである「Microsoft Visual J# .NET」を発表している。こちらは,同社の「Visual J++」で開発したアプリケーションを変換し,.NET Platformで動作可能にするツールである。変換したアプリケーションは,ネイティブのWeb Services対応機能などの,.NET特有の機能を利用できる。なお,「Visual J# .NET」は同社が単独で開発した製品であり,米Sun Microsystemsからの承認は受けていない。

 同日,JLCAの技術を提供したArtinSoft社は,同製品のスーパーセットとなる「Java Language Conversion Assistant Enterprise Edition (JLCA EE)」も発表している。これは,J2EEプラットフォームを使う顧客に,安全で経済的なC#への変換手段を提供する。既存アプリケーションをマニュアルで書き直す場合と比較すると,およそ20倍早く移行できるという。

【おわびと訂正】記事掲載当初,“JLCAは,同社のWWWサイト「MSDN」からダウンロード可能である。また,近日出荷予定の「Visual Studio .NET」にも収録される予定である。”としましたが,正しくは,“「Visual Studio .NET」の次期バージョン”でした。おわびして訂正いたします。

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