米TI(Texas Instruments)が米国時間1月31日に,DSP(digital signal processor)の統合開発環境の最新版「Code Composer Studio v2.1」を発表した。新しいバージョンでは,Windows XPオペレーティング・システムのサポートを追加するとともに,高度なDSPアプリケーションの開発者向けにホスト/ターゲット間のコミュニケーションを改良している。

 最新版では,リアルタイムのソフトウエア開発とデバッギングのすべてのプロセスを通じて,大規模な開発チームを含めあらゆるレベルのDSP開発者に,使いやすさを提供している。Windows XPシステムに対応することで「TMS320C5000」と「TMS320C6000」DSPプラットフォームをベースとした,シングルまたはマルチ・プロセサ・システムでのコード開発向けに最適化されており,デバッギングをさらに高速化している。

 また,ホスト/ターゲット間のコミュニケーションを改良しているため,設計者がIDEを離れることなく,またPCを再起動する必要なく,迅速にターゲット・ボードとエミュレーションの失敗から回復できる。そのため開発環境がより堅牢となり,開発者はアプリケーションの開発に集中できる。

 その他にも,大小規模のプロジェクト管理,混成型のマルチ・プロセサ設計を同時にデバッグする機能がある。ビルドインの「Update Advisor」は,DSP Villageに自動的にアクセスしてリアルタイムでTIの最新ツール,ドライバ,技術でIDEをアップデートする。「Code Composer Studio」エディタは,動的な「CodeMaestro」機能を提供して,正確にコードと関数コールが入力されたことを確認してCとC++コード作成を高速化する。

 同製品は,TI正規ディストリビュータとTI e-storeから入手可能となっている。新規購入者向けの価格は2995ドル。Windows 98,NT,2000,XP上で動作する。DSP開発の初心者を支援する「DSP starter kits (DSK)」が付属する。前バージョン「Code Composer Studio v2」を使い,アクティブ・サブスクリプションを有効にしている開発者には,Update Advisorを通じてリアルタイムでアップグレードされる。無償の評価ツールは,WWWサイト(http://www.dspvillage.ti.com/studioide2)から入手可能。

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