東芝と英ARMが東京と英国ケンブリッジで1月30日に,ARM社のプロセサ・コア「ARM926EJ-S」を東芝にライセンス供与すると発表した。これにより東芝は,携帯電話機やPDAなどの無線アプリケーション用プロセサとしてARM926EJ-Sを提供可能となる。

 ARM926EJ-Sコアは「Jazelle」技術を採用しており,「ソフトウエアのみのJava仮想マシンに比べ最高8倍の速度でJavaを実行する」(ARM社)という。また,Linux,Palm OS,Windows CE,Symbian OSなどさまざまなOSに対応している。ARM926EJ-Sコアは完全に論理合成可能なので,製造には数世代の製造技術を適用できるという。

 また,命令キャッシュとデータ・キャッシュのサイズを変更することができ,密結合命令およびデータ・メモリ・インタフェースを持つ。

 東芝セミコンダクターのシステムLSI事業部システムLSI統括第二部長の小松茂氏は,「モバイル製品は画像転送機能を持つなど進化し続けており,業界標準のJava技術ベースのミドルウエアが必要だ」と説明する。「ARMからライセンスを受けることで,Java技術ベースのSoCソリューションを容易に提供できるようになる」(同氏)

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