仏伊合弁のSTMicroelectronicsがスイスのジュネーブで現地時間1月17日に,DVDプレーヤのフロントエンド向けLSI「L6315」を発表した。0.18μmルールのCMOS製造技術を用いる。

 L6315は,アナログ前処理,サーボ制御,チャネル・デコード,エラー訂正といった「DVDプレーヤのフロントエンドに必要なすべての機能を備える」(ST社)。ST社のDVDバックエンド・デコーダ「OMEGA(STi55xx)」と組み合わせた使用を想定して最適化したという。

 L6315の開発にはフランスのThomson multimediaが協力した。オーディオCDからDVD-RWなど,ほとんどの主要なDVDおよびCDフォーマットの再生に対応する。

 DVDプレーヤはMPEG技術を利用する他の装置と同様に,フロントエンドとバックエンドの二つのサブシステムを持つ。フロントエンドは,圧縮されたMPEGデータ・ストリームを解凍するために必要な作業を行う。一方バックエンドはMPEGデータをオリジナルのコンテンツにデコードする。

 L6315は下位互換モードの場合,外部メモリを組み合わせて「STi5508/STi5519」といったバックエンド装置と接続できる。「Unified Memory」モードでは,外部メモリを用意することなく,まもなくリリース予定の次世代OMEGAファミリのバックエンド装置と接続可能。

 L6315のパッケージは「TQFP144」。すでに発売を開始している。「TQFP176」パッケージのエミュレーション版,評価ボード,アプリケーション開発用関連ソフトウエア・ツールなどが付属する。

 ちなみに米GartnerのDataquestによると,市場に登場して4年目のDVDプレーヤの販売台数は,立ち上がり期のCDプレーヤの3倍,VCRの7倍にのぼったという。

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