オランダRoyal Philips Electronicsの一部門であるPhilips Semiconductorsが米国時間1月15日に,「Flarion flash-OFDM Allianceプログラム」に参加することを発表した。同プログラムは,Flarion flash-OFDM技術によるモバイル・データ・サービスを促進するために作られたアライアンス・プログラムである。同社は,大手ASIC(特定用途向けIC)サプライヤとして,Flarion flash-OFDM技術向けASICの設計と製造を行う。

 同社が設計するFlarion flash-OFDM向けASICは,3Mビット/秒までのモバイル・データ転送率をサポートする。このASICを組み込んだラップトップ・コンピュータやPDA(携帯情報端末)および多機能電話により,ブロードバンド・モバイル・サービスの普及促進が期待される。

 同社のASICは, Flarion flash-OFDMモバイル通信をサポートするデバイスに向けで,省電力,省サイズであることが特徴。転送信号や受信信号を処理するASICは2002年の初旬に,また,flash-OFDMモバイルPCカードは,同年第4四半期に出荷される予定。

 同プログラムの参加企業は,モバイル・ブロードバンド・サービス向けにflash-OFDMの促進を行う。flash-OFDMにより,ユーザーはモバイルWANの環境において,コンテンツやアプリケーションおよびセキュリティの制約なく,企業内LANまたは家庭でのブロードバンド接続と同じようなインターネット接続を体験できる。現在Flarion Allianceプログラムのメンバーは,flash-OFDMモバイル・ブロードバンド・システムの実証試験を行っている。

 同プログラムには,米Cisco Systems社,加Certicom社,米Compaq社,米Decibel Products社,米Enfora社,米Flarion Technologies社,米Funk Software社,米GTRAN Wireless社,米Invertix社,米LCC International社,米PacketVideo社,米Pentair Electronic Packaging社,米Powerwave Technologies社が参加している。

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