米Cahners Business InformationのIn-Stat/MDRが米国時間1月14日に,「2000~2005年における世界インターネット・アクセス機器市場の年平均成長率(CAGR)は41.6%」などとする調査結果を発表した。

 ここで言うインターネット・アクセス機器とは,パソコン,携帯電話,インターネット対応のセットトップ・ボックス,インターネット専用端末(インターネット・アプライアンス),情報家電(スマート・アプライアンス)の総称である。また年平均成長率は出荷台数ベースの値である。

 同社によれば,現在パソコンと携帯電話を合わせた出荷台数が,この市場全体の出荷台数の93%を占めているという。また,この2つが市場で大半を占めていくことは今後も変わりがないという。ただし年平均成長率が最も高いのは情報家電である。同社ではその値を100.8%と予測している。

 「今回の予測結果は楽観的なものになった。ただし今後はそれぞれの機器の機能が重複してくることから,各製品カテゴリ同士で競争が激化すると考えられる」(同社アナリストのCindy Wolf氏)

 それぞれの市場における同社の観測は以下の通りである。

・パソコン市場は今年痛手を受けるものの,今後数年でみると,新製品や新OSが需要を刺激し活気が高まる

・消費者はインターネット対応携帯電話への移行に躊躇(ちゅうちょ)する。セキュリティ面での懸念,価格に対する懸念,魅力的な用途の不足などがその要因

・インターネット対応セットトップ・ボックスには,ブロードバンドの普及促進,消費者への働きかけ,事業者のビジネス・モデルの確立といった課題が残されており,メーカーはこれらに挑んでいくことになる

・インターネット専用端末市場では,多くのメーカーが市場からの撤退を余儀なくされている。その主な理由には価格と用途の問題がある。ただしバーティカル市場においてはビジネス・チャンスがあると考えられる

・情報家電では,技術標準化の遅れ,製品の価値を認知させるといった消費者への働きかけの不足,高い価格などが市場成長の阻害要因となる

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