米IBMは米国時間1月14日に,米CrossWorlds Softwareの買収手続きを完了したと発表した。IBM社が2001年10月30日に明らかにしていたもので,買収金額は1億2900万ドル。1月11日の株式市場が終了したのちに買収取り引きが完了した。

 CrossWorlds社は,1996年設立のミドルウエア・ソフト・ベンダー。2000年6月にナスダック市場に上場した。カリフォルニア州Burlingameに本社を置き,米国内に7カ所の事業所とドイツ,英国など海外4カ国に拠点を持つ。従業員は350人。顧客はソニー,ドイツのSiemens,米Whirlpoolなど100社以上。2000年度の売上高は5200万ドルだった。

 なおCrossWorlds社のソフトウエアは,この4年間WebSphereに組み込まれている。CrossWorlds社は,MQSeriesのOEM供給を受けるとともに,自社製品をIBMのWebSphere Application Serverに対応させていた。

 IBM社はCrossWorlds社買収により,e-businessインフラ・ソフトウエア「WebSphere」の事業を拡充する。「CrossWorlds社の技術や製品は,IBM社の130億ドル規模のソフトウエア事業における戦略的要素となる」(IBM社)

 ちなみに米IDCの調査によると,CrossWorlds社が提供するような特定のビジネス・プロセス統合に対応したソフトウエアは,e-businessインフラ・ソフトウエアの中で最も急速に成長しているカテゴリだという。年平均25%で拡大し,2005年には40億ドル規模に達するとみる。

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