米InfoTechが米国時間1月8日に,「2000年~2005年におけるエンド・ユーザー向け無線LAN(WLAN)インフラ機器の市場は,年平均成長率36%で拡大する」などとする調査分析結果を発表した。市場は2005年に42億ドル規模に達するという。

 「WLANは,家庭用ネットワーキングや公衆アクセス・ポイントであるホットスポットなど,従来のバーティカル市場以外の新たな分野で著しい成長を遂げている」(InfoTech社)

 同社上級アナリストのShelly Tyler Radler氏によると,WLAN市場成長の要因は,製品の低価格化,ノート・パソコンの普及,WLAN機能を組み込みんだ機器の台頭,高速通信が可能な製品の普及にあるという。また,従業員の生産性を向上するために利用されたり,インターネットへの依存度が高まっていることも成長の促進につながっているという。

 現在,エンド・ユーザー向け機器の売上高と出荷台数で市場をリードしているのは,米Proxim,米Symbol Technologies,米Cisco Systems,米Agereの4社。しかし米Buffalo Technologyや米Linksysなどの新規参入業者も勢いに乗っている。このことから,同社では「最終的に業界で整理統合が起こるだろう」と予測している。

 なお,同社が行ったアンケート調査で,WLANの既存ユーザーやWLANの導入に関心のある人の懸念事項がわかったという。「人々の最大の懸念事項は,セキュリティと信頼性。これらがWLANへの初期投資の障壁となっている」と同社は指摘する。また,すでにWLANへの投資の意思決定をしている人は,ベンダーの評判と製品の相互接続性を最重要視していることがわかった。「これらがベンダー選択の大きな材料となっている」(同社)。なお優先度が最も低いのは価格だったという。

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