富士通と欧州子会社のFujitsu Microelectronics社が英国時間12月19日に,世界初の4スタック型MCP(Multi-Chip Package)「MB84VZ064A」を発表した。同MCPは,64Mビットのデュアル・オペレーションのNOR型フラッシュ・メモリー・チップを2つ,非同期SRAMインタフェースを採用した32Mビット「Mobile FCRAM」,および 8Mビット SRAMを搭載している。

 「MB84VZ064A」は,既存のMCPの2製品に使用されているメモリーをまとめて4チップをスタックしたMCPにしている。その結果,表面が既存の組み合わせパッケージと比較すると,表面積を63%縮小することに成功している。来年欧州にて導入される2.5Gと3Gの携帯電話などの,高機能を備えた小型モバイル・デバイスでの使用が期待される。

 同製品が搭載する2つのNOR型フラッシュ・メモリーは,0.17マイクロン技術で作成されているため,従来のNOR型フラッシュ・メモリーよりも高速になっている。さらに,セクター消去に0.2秒(従来モデルは1秒),アクセス時間は70ナノ秒(従来モデルは80ナノ秒)に改善している。

 さらに,同社は64M FCRAMを組み込んだ2スタック型MCPも発表した。これは,9mm×9mmのパッケージに収まった,最高速のモバイルFCRAMである。

 両製品は,ともにサンプル入手が可能となっているが,量産体制に入るのは2002年の第2四半期が予定されている。

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