「個人情報を悪用した犯罪の被害者は昨年50万人に達したが,米国民の60%は自分が詐欺にあうとは考えていない」。電子決済システムやリスク管理サービスを提供する米eFundsは米国時間12月19日,オンライン犯罪に対する米国民の意識調査の結果を発表した。

 個人情報を悪用した詐欺を心配する消費者は,9月11日の同時テロ発生後,急速に減少している。8月の調査では「心配する」とした人が49%だったが,9月21日の調査では40%となった。「人々の心配事がテロ関連の出来事に移っている。人々が無防備なときこそ,オンライン詐欺は起こりやすい」(eFunds社,Decision Support & Risk Management部門担当副社長のAdam Elliott氏)。

 犯罪者は,インターネットと高度なソフトウエアやスキャナを利用して,個人情報を容易に追跡できる。個人情報が悪用されれば,普通預金や当座預金の不正な開設,小切手の偽造,クレジット・カードやデビット・カードの不正利用など,詐欺の被害にあう恐れがある。

 消費者は自身の信用調査書を毎年確認して,個人情報が不正利用されていないことを確認したり,社会保障番号や免許証番号といった個人情報の保護に努めることで,詐欺の被害を回避できる。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・地域別にみた場合,個人情報を悪用した詐欺を心配する回答者は,米国西部(52%)の方が,米国平均(40%)より多い。

・個人情報を悪用した詐欺にあった場合,問題解決のために被害を「地元の警察」に報告する人は39%。次いで「銀行やクレジット・カード会社」など,カードの発行元に連絡をする人は36%。

・免許証番号を小切手に印刷すると,個人情報の漏洩により詐欺に遭う可能性が高い。しかし書く手間を省くために,印刷している人は20%。

・信用調査所や消費者保護団体が,個人情報を悪用した詐欺の防止/解決に取り組んでいることを知っている人は62%。

◎関連記事
「安全なオンライン・ショッピングのための10カ条」--米国のセキュリティ・ベンダーがアドバイス
コンピュータ犯罪の被害額が過去3年の倍以上に,米国で調査結果を発表
「オンラインでの個人情報提供の抵抗感が薄らいでいる」と米調査会社
「2002年末には一挙に大量の犠牲者を生むオンライン犯罪が起こる」と米社
サイバー犯罪への関心は高いが,個人でのファイアウォール導入はまだまだ

[発表資料へ]