米GartnerのDataquestが米国時間12月17日に,ソフトウエア市場について調査した結果を発表した。それによると,企業がソフトウエア購入に関してますます保守的になるとともに,ソフトウエア業界は整理統合の時代に入る。整理統合の時代は2003年にまたがる可能性が高いという。

 過去3年間,主要ソフトウエア企業の25%以上が合併/買収/分割(MAD:merger, acquisition and divestiture)にかかわっている。その割合は今後3年で50%に達するとみる。

 「失敗に終わった企業が残した資産は,たとえ安くても新たに買い取ろうとするものはいない。ベンダーは残余財産や購入価値があるうちに,積極的にMADの機会を探るべきである」(Dataquest社Software Industry Researchグループ部門バイス・プレジデントのJoanne Correia氏)

 2001年における世界ソフトウエア・ライセンス市場の売上高は横ばいとなる見込み。2002年に4%増加して回復し始め,2003年に8%成長する見通しだ。

 世界市場におけるアプリケーション・ソフトウエア・ライセンス分野は2001年に6%減,2002年に1%減少するとみる。しかし2003年には8%成長する。世界市場におけるインフラ・ソフトウエア・ライセンス分野は2001年に3%減少。2002年には6%成長し,2003年は8%増となる。

 ソフトウエア業界のほとんどの分野で2001年と2002年に売上高が減少する。しかし世界市場におけるセキュリティ・ソフトウエア分野は,25%成長した2000年と比べて減速するものの,引き続き成長する。売上高は2001年に12%増,2002年に18%増,2003年には16%増となる見通しだ。

 「9月11日の米同時多発テロ事件がセキュリティ・ソフトウエア市場の成長を後押ししており,今後もその傾向が続く」(Dataquest社Software Industry Researchグループ部門業界アナリストのColleen Graham氏)

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