米IBMがサーバー製品「eServer p690」(開発コード名「Regatta」)の量産出荷を開始した(関連記事)。IBM社が米国時間12月14日に明らかにしたもの。

 「開発に5年を費やしたeServer p690の出荷を予定通り開始した。競合するハイエンド・サーバーの半分の価格でより優れた性能を提供し,UNIX市場に変化をもたらす」(IBM社)としている。

 eServer p690はシステム・オン・チップ(SOC:System-On-a-Chip)技術を使用しており,各チップには動作周波数1GHz以上のプロセサを二つ組み込んでいるという。「大容量のメモリ・キャッシュを備え,ほかのコンポーネントとのI/O接続には高速な分散スイッチ設計を用いた」(同社)と説明する。「このようなアーキテクチャを採用したことにより,競合するシステムよりはるかに少ないプロセサ数で高性能/高信頼性を実現している」(同社)

 eServer p690には,同社の自己管理/自己修復が可能なサーバー開発プロジェクト「Project eLiza」の技術を取り入れている。そのため,「eServer p690は,複数階層の自己修復技術を提供する業界唯一のUNIXサーバー。コンポーネントの故障やシステムのエラーが発生した場合も,動作し続けることが可能」(同社)だという。

 また,1台のサーバーとしてeServer p690を使用する以外に,最大16台の“仮想”サーバーに分割して運用することも可能。「分割した場合は,OSとしてLinuxとIBM社の「AIX 5L」とを自在に組み合わせることができる」(同社)という。

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