米RealNetworksが米国時間12月10日に,同社のデジタル・メディア配信技術「RealSystem iQ」で「MPEG-4」をサポートすると発表した。RealSystem iQの次のバージョンでネイティブ対応する。また同日より,米Envivioのプラグインを利用することで,サーバーとクライアントともにMPEG-4に対応させる。

 Envivio社は,1999年にFrance Telecomからスピンアウトした会社である。MPEG-4技術の開発を手がけており,その製品にはメディア制作/エンコーディング・ソフト「Envivio Broadcast Studio」,サーバー・ソフト「Envivio Media Server」,クライアント・ソフト「EnvivioTV」などがある。EnvivioTVではすでに,米Apple ComputerのQuickTime PlayerやReal PlayerでMPEG-4ファイルの再生を可能にするプラグインを提供していた。なおEnvivioTVはセットトップ・ボックス組み込み向けのスタンドアロン版もある。

 さらにEnvivio社は,RealNetworks社のオンライン音楽/ビデオ配信サービス「RealOne」のプレイヤ・ソフトに対して,MPEG-4やストリーミング・メディア標準技術「ISMA(Internet Streaming Media Alliance」に準拠したプラグインも提供していく。

 RealNetworks社では,Envivio社以外のMPEG-4技術開発者にもRealSystemを公開し,「オープンで拡張性のあるプラットフォームを提供していく」としている。これによりインストール・ベースの増大につなげたい考えである。

 「RealSystemを利用するIPネットワーク事業者はこれでMPEG-4をサポートできるようになる。その際,パフォーマンスやフォールト・レジリエンス(障害許容力) ,システム管理,アプリケーション統合のメリットなどを犠牲にすることはない」(RealNetworks社Media Systems部門上級副社長のMartin Plaehn氏)。

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