米Oracleが米国時間12月4日に,アプリケーション・サーバーの新版「Oracle9i Application Server Release 2(Oracle9iAS Release 2)」をサンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld」会議で発表した。

 Oracle9iAS Release 2は一般向けの「Standard Edition」と企業向けの「Enterprise Edition」を用意する。一般向けの提供は2002年第1四半期を予定する。それぞれの価格は1万ドル/1プロセサと2万ドル/1プロセサ。なお開発者向け無料版のダウンロード配布は,同社のオンライン開発者コミュニティ「OTN(Oracle Technology Network)」でただちにはじめる。

 Oracle9iAS Release 2はクラスタリング/キャッシング技術の向上を図っており,「高い信頼性をもつ」(Oracle社)という。またJ2EE(Java 2 Enterprise Edition 1.3)やWebサービスへの対応,ユニファイド・メッセージングや無線/音声向けの機能,ポータル向けソフトなどを提供する。これらを合わせたOracle9iAS Release 2の新機能は250以上に及ぶという。

 J2EEプログラミング・モデルと,SOAP,WSDL,UDDIといったWebサービスの標準技術を統合しており,Oracle9iAS Release 2上で構築されたWebサービスをOracle社がサポートするすべてのOS(大手ベンダーのUNIX,Linuxを含む)で展開することが可能という。このほか米Microsoftの「.Net」技術など,他の標準的なサービス・インプリメンテーションとも互換性を持つ,と同社は説明する。

 無線/音声機能は,インターネット・アプリケーションや無線メッセージング,無線環境用セキュリティ機能,モバイル・メール,位置情報サービスなどへの音声によるアクセスを提供する。2.5G(第2.5世代)と3G(第3世代)の携帯電話システムに対応する。

 Oracle9iAS Release 2ではポータル向けのソフトウエアを提供する。パーソナル化したWWWサイトの構築/展開のための広範な枠組みを提供する。「自社によるWWWパブリッシング,ビジネス・インテリジェンス解析,レポート,安全で信頼性の高いポータル構築などが可能でエンド・ユーザーやWWWデザイナー,WWWサイト管理者のコスト削減と生産性向上が図れる」(Oracle社)

 パーソナル化や無線の機能を追加する「Oracle9iAS Wireless」「Oracle9iAS Personalizatio」はOracle9iAS Release 2のオプションとして提供する。価格はいずれも1万ドル/プロセサ。

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[www.oracle.comに掲載の発表資料1]
[www.oracle.comに掲載の発表資料2]
[www.oracle.comに掲載の発表資料3]