米Sonicsを中心とする半導体企業が米国時間12月3日に,Open Core Protocol(OCP)仕様の開発とメンテナンスの管理を行う団体,Open Core Protocol International Partnership(OCP-IP)の発足を発表した。プラグ&プレイ・システム・オンチップ(SOC)設計向けの知的財産(IP:intellectual property)コア・ソケットの管理,サポート,促進,強化を目的とした新しい半導体業界の標準策定団体となる。

 OCP-IPは,独立した非営利団体であり,Steering Member,Sponsoring Member,Community Memberの3つのメンバーシップ・レベルから構成され,メンバーの年会費によって運営される。Sonics社に加え,OCP-IP設立メンバーとして,フィンランドNokia社,米Texas Instruments社,米MIPS Technologies社,米United Microelectronics社が参加を表明している。

 米Sonics社は,5年以上かけてOCPを作成しており,同団体に「コミュニティ・リソース」として,完全なIPコア通信の要件(データ,コントロール,テスト・フロー)を定義するOCPインタフェース仕様とともに評価ツールと技術を提供する。

 「今こそ企業はプラグ&プレイSOC設計に貢献し,業界標準IPコア・ソケットの促進を行うべきである。複雑なSOC設計がエンジニアリングの主流になったら,半導体業界は,すべての異なるバス構成で機能し,再使用するための相互接続技術と市場出荷へのサイクルを向上させるための共通のIPコア・インタフェースを採用する必要がある」(OCP-IPの会長のIan Mackintosh氏)。

 OCPは,バスから独立し,データ,コントロール,テスト・フローに対処するので,業界標準IPコア・ソケット・インタフェースへの出発点となっている。OCPは,IPコアのオペレーションを通信動作から完全に分離させるので,独立したIPコア設計と再利用が可能となる。そのため共通のソケットとして,OCPは複数のプロセサとバス相互接続構造を持つSOCで機能するための十分な柔軟性を備えている。

 すべてのIPコアにソケットを簡単に包括するために,ソケット標準には,技術サポート,認証プログラム・サービスとともに実装と評価ツール・スイート,Cレベルのアプリケーション・プログラミング・インタフェース,ブリッジ・ライブラリが必要である。「コミュニティ・リソース」としてOCP仕様以外に,Sonics社は,標準を完成させるために必要な要素の所有権をOCP-IPに提供している。OCP-IPは,IPコア・ソケット仕様の強化とサービスの準備を行う一方で,技術の完全なソリューションとサポートをメンバーに提供する。

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