米Adobe Systems社が米国時間12月3日に,動画エフェクト・ソフトの新バージョン「After Effects 5.5」を発表した。今回のバージョンでは,クリエイティブ・オプションとクリエイティブ・ツールを強化しており,これまでよりも多くのメディア・タイプに対応する。出荷は,2002年の第1四半期が予定されている。

「After Effects 5.5」では,複数のビュー,色付けされたシャドー,ステンドグラス・ライティング,交差レイヤーを作成するためのAdvanced 3D Rendererなどの機能により,正確なコントロールが可能となっている。また,Advanced RealMediaへのエクスポートや,Alias|WavefrontのMaya,Discreetの3ds maxとの入力/出力オプション,Maya IFF,RPF,SGI,QuickTimeを含む16ビット/チャネルのファイル形式への対応などの機能を持つ。フィルムやデジタル・ビデオ,マルチメディア,WWW向けの動画の作成またはビジュアル・エフェクトなど,デザイナに包括的な動画ツールを提供する。

 またこの最新版は,Mac OS XとWindows XPにネイティブで対応し,Pentium 4向けに最適化されている。新しいエフェクト・パレットには,Color Stabilizer,Advanced Lightning,Grid,Roughen Edgesを含む8つの新しいエフェクトが加えられた。Adobe Premiere,Adobe Photoshop,Adobe Illustratorと統合可能となっている。さらにボーナスとして,After Effects 5.5 Production Bundle にはZaxwerks 3D Invigorator Classicが付属しており,環境を変えることなく2D作品を3Dエレメントに変換できる。

 同社は、Adobe After Effectsと,「Adobe Illustrator」,「Adobe Premiere 6.0」,「Photoshop 6.0」をセットにした統合パッケージ製品「Adobe Digital Video Collection 6.0」も発表している。フィルム,ビデオ,マルチメディア,WWW向けの高品質なデジタル・ビデオの作成を目的とした新しい構成のパッケージは,標準版とProduction Bundle版がある。

 「After Effects 5.0」の価格は,標準版が649ドル,プロフェッショナル向け機能を搭載したProduction Bundle版が1499ドル。またAfter Effects 5.0からのアップグレードは,両バージョンともに99ドル。標準版からProduction Bundle版へのアップグレードは899ドルで,Zaxwerks Invigorator Classicが配布される。「Adobe DV Collection Production」は,1999ドルでZaxwerks 3D Invigorator Classicが付属する。「Adobe DV Collection標準版」は,1199ドル。

 また,仏語,独語,日本語版も,英語版と同時に出荷される予定。これら言語のバージョンの価格,アップグレード,ポリシーは別に発表される。

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