ドイツのSiemens AGの子会社である米Siemens Enterprise Networks LLCと,米Deloitte Consultingが,セキュリティ/CRM(Customer Relationship Management)市場に向けた事業展開に関して契約を締結した。両社が米国時間11月29日に明らかにしたもの。これにより,2001年初頭から同市場で展開していた協力体制を正式なものにする。

 両社は,2005年までに世界のセキュリティ市場の規模は420億ドル,CRMの市場規模は700億ドルにまで発展すると見込んでいる。これら市場に向けた事業展開で協力し「ソリューションの導入/管理を検討する顧客を支援していく」(両社)という。

 「経済不況により小規模のスペシャリストが市場からの撤退を余儀なくされていることから企業は大規模で幅広い経験をもつ,息の長いサービス企業を求めている」(両社)。

 なお両社は,米Gartnerの主席アナリストDrew Kraus氏のコメントを引用している。それによれば,「企業内で基幹業務の専門家が不足していることから,セキュリティ/CRMの設計と導入を外部に委託する企業が多い」という。「ソリューションは一度導入すれば終わりというわけではない。多くのCIO(最高情報責任者)にとって必要なのは,大規模で確実なソリューション・プロバイダと提携し,長期間にわたって展開できるようにすることだ」(同氏)。

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