「2000年の1年間で“ヘイト・サイト”の数が70%増加した」,などとする調査結果を,米Websenseが米国時間11月29日に明らかにした。ヘイト・サイトとは,反社会的な内容を扱うオンライン・サイト。人種/宗教に対する差別や犯罪行為,企業や個人に対する中傷,嫌がらせなどを行うサイトが多い。Websense社によると,ヘイト・サイトは37万3000ページ以上存在するという。

 Websense社は,ヘイト・サイトが急増していることが企業にとって大きな問題になる可能性を指摘している。「実際に,職場からヘイト・サイトにアクセスできる企業は,この種のサイトを仕事中に閲覧できるという職場環境に問題があるとして訴訟を起こされる可能性がある」(同社)。

 Equal Employment Opportunity Commission(米雇用機会均等委員会)によると,職場における人種差別や嫌がらせに関する訴訟件数は,1990年代後半に5万件以上に急増したという。また,American-Arab Anti-Discrimination Committee(米国-アラブ反人種差別委員会)では,「9月11日以降400件以上におよぶ嫌がらせがらみの暴行や脅迫の報告を記録しており,そのうち30件以上が職場での差別問題だ」としている。

 しかし,職場でのヘイト・サイト閲覧を禁止することの難しさについてWebsense社は,「この種のサイトは“レーダーにはうつらない”うえ,有名なサーチ・エンジンやポータル・サイトでも分類されてはいない」と説明する。

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