携帯電話とPDAを組み合わせたPC-EPhoneの製造元である韓国のCyberbank社が,現地時間11月28日に,同社の最新ハンドヘルド・デバイス向けにサービスを提供するために,米Citrix Systems社のMetaFrameアプリケーション・サーバー・ソフトウエアを採用することを発表した。Citrix製品により,10~20Kビット/秒の転送速度でもPC無線アプリケーション・サービスへのアクセスとデバイスへの表示可能となる。

 MetaFrameを利用すれば,中央サーバーでWindowsアプリケーション本体を稼働させ,クライアントには,ユーザー・インタフェースのみを受け持たせるといったシステム構成をとれる。クライアントでアプリケーションそのものを実行させる必要はない。

 PC-EPhonは,VGAサイズのWWWブラウザを備えており,低帯域のCDMA(Code Division Multiple Access)の無線接続でもフルサイズのWWWページにアクセスできる。ページは,4インチのTFT液晶で表示される。デバイスのWindows CEオペレーション・システムで,電子メール,アドレス帳,スケジューラ,レコーダ,計算機,MS Pocket Word,電話機能などを実行できる。またBluetooth技術を採用しており,キー・パッドを持つハンドセットで本体から10メートルの範囲で電話の送受信ができる。

 MetaFrameでは,アプリケーション本体は中央サーバーで稼働させるため,ハード的にスペックの低いPDAの負担を低減できる。また,CitrixのICA(Independent Computing Architecture)を組み込むことにより,データ転送に必要な帯域幅が平均10~20Kビット/秒となり,無線ネットワークでLANのようなパフォーマンスを提供可能となる。

 Cyberbank社は近い将来, MetaFrameを使った有線ASP事業を拡張することによって,企業ユーザーとともに個人ユーザーが基幹アプリケーションにアクセスできるようにするモバイル・ソリューションの提供を予定している。

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