インターネットを介した電子商取引の標準化団体Universal Description, Discovery, and Integration(UDDI)プロジェクトが米国時間11月19日に,オンライン・ディレクトリ「UDDI Business Registry」の「バージョン2ベータ版」を利用可能にしたことを明らかにした。

 米Hewlett-Packard(HP),米IBM,米Microsoft,ドイツのSAP各社が,UDDIサイトで最新仕様「UDDI v2」に準拠したベータ版ディレクトリ・サービスを開始したという。これまでIBM社とMicrosoft社がUDDI Business Registryのホスティングを行っていたが,新たにHP社とSAP社が加わった。

 UDDI Business Registryは,企業の情報を記載したオンライン・ディレクトリで,参加企業にこれを通じて自社の商取引に関する情報を発信し,また必要とする他社の製品/サービスを検索できるようにする。

 UDDI v2では公開ディレクトリを利用できるほか,専用ディレクトリを導入し,社内WWWサービスの管理を行うことが可能。例えば製造業者はUDDIの専用レジストリを通じて,部品在庫のWWWサービスに関する情報をパートナ企業と共有することができる。

 その他の主な新機能と強化内容は以下の通り。

・プログラマ用インタフェースを強化し,開発者がUDDIレジストリのデータにアクセスする際に,より詳細で複雑なクエリを使用できるようにした。新たなクエリ・オプションではwildcard(任意文字)に対応しており,複数のカテゴリにまたがった検索機能を向上した。

・大企業,組織構造,各種事業部やサービスの相関モデリングが行える。企業関係をモデル化することにより,認証やアライアンス,メンバーシップといったさまざまな企業提携の機会を提供する。

 UDDIプロジェクトは6月18日に,UDDI v2を公開している。UDDI v2はUDDIのWWWサイトからダウンロードできる。現在UDDIコミュニティは「UDDI v3」に取り組んでおり,2002年に公開ドラフト版をリリースする予定だという。

 なお,各社のUDDI Business Registryバージョン2ベータ版サイトは次の通り。
HP社:http://uddi.hp.com
IBM社:https://www.ibm.com/services/uddi/v2beta/protect/registry.html
Microsoft社:https://uddi.rte.microsoft.com/register.aspx
SAP社:http://udditest.sap.com

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