ソニーが米国時間11月12日に,消費者向エレクトロニクス製品に関して米AOL Time WarnerとフィンランドNokiaとそれぞれ提携関係に入った。AOL Time Warner社とはホーム・ゲートウエイ技術などの開発で,Nokia社とは携帯電話向けミドルウエア・プラットフォームの開発で協力体制を敷く。ラスベガスで開幕したCOMDEXで3社が明らかにしたもの。

 この提携はいずれも,「オープンな広帯域ネットワーク環境の構築を目指す」というソニーの取り組みの一環となる。ソニーは,さまざまな機器や製品がシームレスにネットワークにアクセスし,それぞれがいつでも,どこでも互いに連携するという,「ユビキタス・バリュー・ネットワーク(Ubiquitous Value Network)」構想を掲げているが,同社は今後もこの取り組みに注力していくという。

 AOL Time Warner社とは,ホーム・ゲートウエイ技術やインターネット・ブラウザの開発で協力体制を敷く。このインターネット・ブラウザは,ネットワーク対応の消費者向けエレクトロニクス製品に向ける。

 消費者に広範なオンライン・エンタテインメントを提供するもので,家庭内のパソコンやパソコン以外の機器が同時に,さまざまな広帯域サービスにアクセスできるようにする。また保存したコンテンツを適切な著作権管理のもと,複数の機器で共有できるようにもする。

 インターネット・ブラウザについては,オープンな技術とし,ソニーの将来の製品だけでなく,他のメーカーにも利用できるようにするという計画を立てている。

 このほかソニーとAOL Time Warner社は,米国におけるアクセス・サービスでも協力する。ソニーの消費者向けエレクトロニクス製品で利用できるアクセス・サービスをAOL社が提供していくという。

 Nokia社と開発するミドルウエア・プラットフォームでは,携帯電話機と消費者向け製品の相互接続性を目指す。さまざまな種類の機器間において通信を可能にするという。これにより,機器がネットワークを介してさまざまなアプリケーション/サービスを利用できるようにする。提携内容には,ユーザー・インタフェース,コンテンツ・ダウンロード,マルチメディア・メッセージング,デジタル著作権管理,IPv6実装といった分野の技術開発が含まれている。

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[ソニーの発表資料]
[AOL Time Warne社の発表資料]
[Nokia社の発表資料]