米Microsoft社の会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏が米国時間11月11日,ラスベガスで開催されているCOMDEX Fall 2001の基調講演で,OEMメーカーが開発した新しい「Tablet PC」のプロトタイプと自社とパートナ企業が作成したTablet PC向けソフトウエアのプレゼンテーションを行った。Tablet PCは,2002年後半の出荷が予定されている。同氏は,Tabletが5年以内にもっとも普及したPCの形態になると予測している。

 Table PCは,Windows XPをベースとした軽量のモバイル・コンピュータで,ノートPCのフル機能を搭載している。紙と同じ感覚で,ペンを用いてスクリーン上で入力できるのが特徴。リーガル・パッドのサイズで,重さは現在一般的なノートPCのおよそ半分の2.5ポンド前後となっている。消費電力が低く,ほぼ1日バッテリのみで動作する。また高解像度のモニターとワイヤレス・ネットワーク機能を搭載している。

 デモンストレーションには,台湾のAcer社,米Compaq社,富士通,米Toshiba社などの主要OEMメーカーのTablet PCが利用された。Intel社,Transmeta社,FIC,NEC,PAD Products社,Tatung社,ViewSonic社もTablet PCのサポートを表明してる。

 同氏は,Windows XP Tablet PC向けにパートナー社が構築したソフトウエアも紹介した。これには,リアルタイムでコラボレーション作業向けソフトGrooveのTablet版,AutodeskのCADソフトのポータブル版などが含まれている。出荷開始予定の2002年までに,ベンダーが多数のソフトウエアを用意すると予測される。

 また同社は,メモを取ったりコンテンツを操作するJournalと呼ばれるユーティリティや,手書きのインスタント・メッセージをやり取りする機能を搭載したり,WordとPowerPointドキュメントに注釈を書き込めるようにするようにOffice XPをTablet PC向けに拡張すると発表している。

 Tablet PCのサポート・ベンダーの一つである米Compaq Computerも同日,ComdexにてTablet PCのプロトタイプの公開デモを披露した。Compaq社によれば,Compaq Tablet PCはWindows XP Professional版のフル機能を搭載,既存のWindowsアプリケーションを動かせる。

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